ノックのスカスカ状態対処法

 バイターノックに関して、こんな質問をいただきました。
 
【都道府県名】 大阪府
【性別】 男性
【所属】 社会人
【キャリア(3)】 普通のアーチャー

>私はACE570・620・670の3サイズを使用していますが、バイターACEアウトノックを670に付けるとスカスカで使用できません。ノックのサイズ指定はあるのですか? 

 
 これは「アウトノック」と呼ばれる、シャフトにかぶせるタイプのノックについての質問です。アウトノックとインノック、あるいはピンノックのメリット、デメリットは違うところでお話しますが、ここではともかくは「スカスカ」状態の対処法です。
 バイターノックの仕様はこの表が詳しいのですが、こちら↓でも分かるようにアウトノックだけでもカーボン、アルミを含めこれだけのシャフトが対象になります。そのなかでも一般的なのが、印のACEとX10用のノックでしょう。(ちなみに「AVIA」とあるのは、「プロセレクト」シャフトのことです。)
 
 
 印はそれぞれのノックがACE、あるいはX10のシャフトに使えるということで、特にサイズ(スパイン)を指定していません。そこでバイターに直接問い合わせたところ、こんな↓回答をもらいました。
 
>Usually the end of the shaft, if not cut, is parallel,.... so the nock - usually - fits the outer diameter of respectively the ACE and the X-10 shaft.
But again.. usually... I think that on a 380 X10 or 370 ACE these won't fit.. but on the most shot sizes we know it works. 
 
 ACEもX10もアルミコアの「樽型」シャフトであることから、スパインに加えノック側のカット長さによっては外径に多少の誤差が生じるとのことでしょう。ただしこのことは、今回のアウトノックに限らずインノックやピンノックの軸部分(シャフトに差し込む部分)についても、またEASTONのノックにおいても同様の「スカスカ」状態は生まれます。
 このことはバイターも分かっているのでしょう。こんなインフォーメーションが載っています。スカスカの時は、接着剤を使わずにシャフトとノックの間に「テフロンテープ」を挟めということです。接着剤を使わない理由は、接着剤に含まれる溶剤によってシャフトやノックの樹脂が傷む(溶ける)からです。
 ではこのテフロンテープ。日本では一般的ではありませんが、水道管の継ぎ目(ネジ部分)の水漏れ防止に使う「シールテープ」(Seal Tape)と思ってください。ホームセンターの水道管補修材のコーナーに行けば売っています。
 同様にEASTONは「フレッチタイト」(接着剤)こそ使いませんが、現場では松ヤニ系の「ホットメルト」などでの固定をしています。
 しかしどちらにしてもこれらの方法では、接着剤で完全にノックとシャフトが引っ付いたり、きつくなりすぎて取り外しの際に困ってしまう、あるいは角度を変えるのも容易ではないという状況が生まれます。
 そこでオススメしたいのが、↓この方法です。
 フレッチタイトを米粒ほど指先に取ります。そしてこれをシャフトあるいはインノックであればノックの軸部分に、巻き付けるように「皮膜」を作ります。この程度なら溶剤が樹脂を傷めることはありません。そして完全に乾くのを待ちます。数10秒で乾きますが、接着剤で引っ付けるのではなく、あくまでテフロンテープの代わりの膜を作ります。
 この方法がテープより優れているのは、膜(テープ)の厚さを調整できることです。こうして皮膜を作った軸を一気に挿入する前に、少しあわせてみてきつさ(厚さ)を確認します。もしきつすぎるようなら、ツメで部分的に皮膜を剥いで適度な硬さにしてから、挿入するのです。こうすれば自分の好みのきつさでスカスカでも、キツキツでもないノックの取り付けができます。後の回転も取り外しも簡単です。そして何よりも、はみ出した部分を簡単に除去でき、透明のノックでも美しく仕上げることができます。
 バイターノックに限らず、そしてインノック、アウトノックに限らず、ぜひお試しください。

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