ハラコのタブ

 こんな最近ではめずらしいモノをいただきました。もうあまり見ませんよね。
 「ハラコ」のタブです。昭和43年(1968年)に購入されたモノだそうです。たしかに、カタチは違いましたが、同様のハラコのタブを高校生の頃使っていたので、1970年ごろです。40数年前の話です。
 で、ハラコ(腹子)は何? と聞かれると、こんな「毛皮?」のタブとしか言いようがないのですが、高校生の頃は牛や馬のお腹の中にいた子供の毛皮と言われて、ハラコと呼んでいました。
 そこでネットで検索すると、
 
「ハラコ」とは英語で「Unborn Calf」と呼ばれます。名前の通り、この世に生まれていないということです。
業者の中には、「たまたま母牛の体内で死んでしまった胎児」と説明するところもありますが、商品となって流通している数から考えただけでも、それだけではないことが十分想像できます。
現実には出回っている「ハラコ」毛皮の多くは、生まれる寸前で母牛のお腹を裂き、赤ちゃん牛を取り出します。そして革を剥ぐのです。もちろん、この場合、母子の両方の命が奪われます。
(後略)
 
ハラコとは牛や羊等の胎児あるいは生れて直後の毛皮のことで、食肉の副産物です。そもそもはある民族が好んで子牛を食したそうで、この時に副産物として出る毛皮がビロード状でとてもきれいな為、毛皮として使われました。ただ、胎児や子牛を食べてしまうと経済効率が悪いですよね。その為現在のハラコはどなたかおっしゃっていましたが、ポニーをハラコといっていたり、生れてもきちんと育たない子供、あるいは死産のもの等が殆どです。どちらにしろ、食肉をとった副産物です。子供の皮というと皆さん過剰に反応して、残酷なことを想像しますが殆ど嘘です。
 
 ということで、今でもハンドバッグや財布に使われているようですが、タブでは見かけなくなりました。とはいっても、海外では結構見かけるので調べてみると、
 いろいろありますが、「Hair Tab」「Calf Tab」などと呼ばれて、今でもたくさん売っています。たぶん、大昔も今も普通の馬の毛皮で、コードバンの余りで作っているタブだと思います。
 
 ではなぜ昔も今も使われているかというと、滑りがいいからです。表面に抵抗がありません。そしてもう一つのメリットは、雨で濡れても、同じように表面がツルツルなので、ストリングを引っ掛けません。
 ただ、いいことばかりでないのは、このタブもそうですが↓、ある程度使っていると毛が抜けてきて禿げるのです。毛はなんでも永遠ではありません。
 例えば、リムでフォームコアが天然木(ウッド)コアには勝らないといっても信じてくれないアーチャーが多いのでしょうが、、、タブもコードバン(本革)がなくなって、合成皮革のタブが増えてきました。これはリムと同じで、天然の素材が入手できなくなってきたのと、コストが圧倒的に安いというそれだけの理由からです。
 では本革なら何でもいいかというと、コードバンの本トロの話がここにありますが、素材も選ぶ必要がありますが、タブ(革)にも向きがあるのです。ハラコのタブが分かりやすい例ですが、毛の生えている向きにストリングは滑らせます。そうでなければ逆毛立って、滑らず引っかかります。毛のないコードバンも同じです。毛が生えていた向きに作らないと、すぐに表面が傷んできます。しかしその向きは素人には見分けにくいので、○国製のタブは1枚でも多く取れるように、型でポンポン効率良く向きなど気にせず打ち抜いていくだけです。リムでもタブでも、値段ではなく見る目が必要です。
 ということで、タブを自作されるなら、こんなハラコも選択肢に入れてやってください。晴れでも雨でもツルツルのハラコタブでした。

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