280+320=600点

 アーチェリーを一生懸命、長くやっていると、いろいろなことが見えてくるものです。それは経験であったり知識であったり、理論であったりとさまざまです。
 例えば、ダブルラウンドやインドアで同じ距離を2回射つ試合で、本当に調子の良い時は前半より後半のラウンドの方が点数が良いものです。あるいは、シングルラウンドで70mと50mはだいたい同じ点数が出ます。そして本当に調子の良い時は、70mより50mの方が必ず点数が良いはずです。天候等の外的条件が大きく変化した時は別です。
 あるいは 50m+30mで 600点を出す時、配点は何点と何点ですか? そう、280点+320点 で 600点です。当然、数点のプラスマイナスはありますが。では 580点は、265点と315点。620点は。290点と330点。650点は310点と340点のプラスマイナス数点。
 このへんなら何となく感覚的にも分かるはずです。では、700点は? 340点にプラス数点で、その数点が360点からマイナスされて700点が出ます。ではいつかは記録される1400点は、338点+350点+352点+360点。もし30mで360点が出なければ、このマイナスをカバーするのは90mでしょう。
 このようなことを感覚で理解することも大切です。しかし、より高い点数を目指す時には、この裏にある理論も知っていなければなりません。
 50mが70mより一回り小さい的を使っているにもかかわらず、大きいサイズの70mと同じかそれ以上のスコアが出るということは、70mから50mに近づいた20mという距離が122cmのグルーピングをほぼ80cmの大きさにまで小さくすることを示しています。と同時に、距離が近い方が外的影響やアーチャー自身のミスが小さく抑えられ、的面に反映し難いことも表しています。
 では、50m+30mで600点が出る時は。50mで280点のグルーピング(矢を確実に当てることができる円の大きさ)が20m的に近づくことで320点のグルーピングになったということです。このことが分かっていれば、50mと30mで同じくらいの点数しか出なかったりするというのがオカシイことに気付くはずです。もし50mで300点が出たのにトータルで620点しか出なかったなら、それは30mも当ててやろうと思って「心」が技術に悪影響を及ぼしたにすぎません。普通にすれば335点で630から640点は出るはずです。逆に言えば、50mで270点が出ないアーチャーがガムシャラに600点を目指しても意味がないのです。
 このようなグルーピングの法則を知っていれば、例えば30mしか射てない練習場であっても、300点アーチャーがそこで一生懸命練習をすることで、確実に320点を自分のものにできたなら600点はどこで射っても出るはずなのです。オールラウンドを射てば1130〜50点くらいは出るでしょう。そう考えれば、長距離が射てないからとか練習していないから、といった言葉が言い訳であることが分かるはずです。

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