for Technique

 
 弓具に関する質問だけでなく、技術的なことについても多くの皆さんから掲示板メイルでお問い合わせをいただきます。そこでまったくの個人的なお問い合わせを除いて、この場でワンポイントの回答をしていこうと思います。ただし、実際には個々の状況や事情があるため、すべてが皆さんにとっての最良のアドバイスとはならないことはご理解ください。
 
■フルドローに入った後バックテンションを使って、伸びながら射てというのですがどうしていいのか分かりません。
◇「伸びながら射つ」という表現は正しいのですが、それを「バックテンション」と結び付ける必要はないと思います。実はバックテンションを感じる射ち方ができるのは極端な(45度を超えるような)オープンスタンスなどの場合で、ほとんどの日本人の射ち方では難しいと思います。ここでのバックテンションは「伸びながら射つ「手掛かり」」と理解したらどうでしょうか。
 その時に、「背中」を感じる人もいれば、「上腕」を感じる人もいるし、「力こぶ」を手掛かりに射つ人もいれば、「両肩」や「わき」を意識して射つ人もいます。ともかくは自分の緊張を維持して、その動きを持続するための自分なりのテーマ(ポイント・課題・チェックポイント・etc.)を持つ必要があります。そんなテーマを探して、それに意識を集中して練習を繰り返してはいかがですか。
■矢筋が通ってないと言われたのですが、どうしたら矢筋をとおすことができますか。
◇矢筋がとおるとは、グリップのピボットポイントとアンカーポイント、そして引き手の肘の先端のこれらの3点が一直線上にあることを言います。しかし分かるように個々のアーチャーは体型や骨格がすべて異なります。そのため矢筋がとおること自体は理想ではあっても、残念なことにすべてのアーチャーができるとは限りません。
 そこでひとつ考えておかなければならないことは、矢筋がとおるという時、「体型(外観)的にとおる」ことと「力がそのように働く」2つの状態があることを知っておく必要があります。よく試合場で矢筋のとおった美しいフルドローのアーチャーを見かけます。しかし、それらのアーチャーがすべて美しいリリースをするかというと決してそうではありません。それは形のうえではとおっていても、力がそのように存在していないからです。また、逆の場合もあります。矢筋がとおっていないのに、真っ直ぐな美しいリリースができるアーチャーもいます。肘が前に出ていても、意識と力の方向は一直線に保たれている結果です。
 この両方を理想に近づけるべく意識して努力するしかありません。出来ないことを出来るようにすることが練習です。
■矢筋をとおそうと思うと、アンカーがサイドアンカーになってしまいます。引き手の位置とアンカーの位置はどちらを優先させるべきですか。
◇初心者の段階ではアンカーを正確に決めるためにも、顔のセンターにストリングを置きアンカーの基本を身に付けるべきです。しかしあるレベルに達してからは、フォーム全体を考えると肘の位置を優先させた方が良いでしょう。
 アンカーがいくら正確でも、正しい射ち方が出来なければ意味がありません。矢筋をとおして、力もそこに感じるようなら、結果的にサイドアンカーになっても構いません。
■左目が利き目(マスターアイ)と言われました。左射ちにした方がいいのでしょうか。
◇利き目は後天的に治せます。慣れるまでは少し意識がいりますが、狙う時に左目を少し閉じて左の視力を落とすことで、右目で見える景色や位置関係を覚えるようにしましょう。そのようにすることで自然に右目が利き目となり、右で狙えるようになるでしょう。それと、顔の面を真っ直ぐに的と向き合わせることも大事です。斜めから見るとどうしても右目で的が見難くなってしまいます。
■普段左利きで箸も鉛筆も左で使っています。左射ちの方がいいでしょうか。
◇特別の理由がない限り右で射つことを勧めます。特別の理由とは左手に力があるから、それを引き手として活かしたい・・・というような意識です。そこで3つの理由から、あえて右射ちを勧めます。まず、左射ちは技術習得の段階でフォームや射ち方のイメージがつかみ難いことです。右射ちのアーチャーが左射ちを見て違和感を感じることの裏返しと考えればいいでしょう。たしかに近年左射ちのゴールドメダリストが誕生してはいますが、それでもまだまだ左のイメージは少ないでしょう。二つ目は弓具の値段が高いこと。最後は、力と技巧性は同じところに存在しないことが多いからです。例えば、幅跳びの踏み切り足は左であるが、サッカーでボールを扱うのは右足という人間は多いのです。押し手と引き手にどんな役割分担を求めるかはしりませんが、それでも以上のような理由から右射ちを勧めます。
■自分の引き尺がよくわからないんです。クリッカ−が定まらないんですけど・・・・。
 フルドロー、というよりドローイング最中にどのくらい引っ張ればよいのかとか、何かアドバイスがありましたらよろしくお願いします。
◇フルドローとは自分で作り出すものです。それはドローイングからアンカーリングへの流れとその延長において作り出すものです。そのためには、まず自分の理想のフルドロー時にどれだけ引かれているのか、理想のフルドローの時にクリッカーの位置はどこなのかを知らなければ(決めなければ)なりません。
 まずは他人に見てもらうか、シュートせずに矢を引いて自分の理想のフォームを作ってみて、その時にポイントの先がどこにあるのかを確認する必要があります。何度か、何日もそのことを繰り返して自分のクリッカーの位置をまず決めます。
 後は自分でその位置に身体を持って行くのですが、やはり最初からは難しく、身体の状態や気温や風などによってもそこにいつも身体を置くのは簡単ではありません。だからこそ最初や条件の悪い時はなおさら、先に決めたクリッカーの位置に合わせて身体を持って行きます。そのためにはアンカーリング時にクリッカー(矢先)を見てチェックすることは間違いではありません。それを見てフルドローでは1ミリ、長くとも数ミリにクリッカーを置きます。しかし、その時決して流れを止めてはいけません。流れも、イメージも動き続けるのです。すべてはフォロースルーに向って・・・。
■私は、セットアップで息を吸い込んで、フルドローまで吐き続けます。エイミング、クリッカー、リリースまで息を止め、リリースと同時に更に息を吐きフォロースルーが終わって引き手を降ろすときに息を吸い始めます。
 これを規則正しくやりたいなーと考えてやっています。しかし、この一息の間でクリッカーが落ちなかったり、押し手の肩が上がってしまったり、エイミングが決まらずに引き直しをする事が度々です。
こんな事は気にしなくていいのでしょうか?
◇例えば、脈拍や心臓の動きを意識的にコントロールできないように、人間の身体には持って生まれた能力というか、必然性がいくつもあります。呼吸もそのひとつです。
 人間が力を出す(入れる)時というのは、無意識に呼吸は止めるものです。あるいは自然に軽く吐き出すようにできています。重い物を持ち上げる時を考えれば、そうでしょう。弓を引くという動作も力を出す動作です。そう思えば、呼吸などの人間が本来持っている機能については、あまり考える必要はなく、それに意識を取られるくらいならフォームなどのことに集中する方が良いでしょう。
 では、呼吸はどうするのかですが・・・・。セットアップあるいはフルドローに向けて、自然に息を吸い込んだら、フルドローに入れば息を自然に止めればいいでしょう。後は自然にまかせます。後は気にしなくても大丈夫です。自然にまかせれば、もしフルドローが長くなったり、クリッカーが鳴らなければ、身体は自然に鼻から息を少しづづ吐き出してくれます。もし、息を吸い込まなければならないくらいの状態(それくらいに長く)になれば、引き戻しをすればいいでしょう。
 余談ですが、アーチェリーの動作の中には自分のフォームの問題だけではなく、例えば風が吹いているというような状況がそうですが、いつでもすべてが思うように運ぶと思うのは間違いです。というか難しいことです。それを思えば、いつでも完璧を求めることは必要ではあるのですが、それがすべてと思うといつまでたっても勝てないという現実はあります。ゆとりとというか、余裕というか、ある程度の幅をすべてに持つことは必要なことです。
■押し手にストリングが腕に当たります。肩の位置がおかしいのでしょうか?
◇押し手の位置が本当におかしいのなら、当然直さなければなりません。どうしてもうまくいかないようなら、スタンスをオープンにするのも方法でしょう。ただ、これまで多くのアーチャーを見ていると、押し手にストリングが当たるほとんどの原因は引き手にあります。
 まずフルドローの時に、視線を下げて押し手を見ます。その時、矢と押し手が重なっているようなら押し手の位置の問題です。アーチャーズパラドックスがあるとはいえ、正しいシューティングができればストリングは矢の線を返ると考えていいでしょう。しかし、ほとんどのアーチャーは矢と押し手が重なっていないのに、ストリングが腕に当たるのです。この原因は引き手、リリースにあると考えるべきです。押し手に一度ストリングが当たると、アーチャーはそれが気になって押し手にばかり意識を取られます。
 押し手にストリングが当たる時こそ、引き手を直しましょう。正しいリリースができれば、ストリングは矢と同じ軌跡を通ります。まずは、正しいリリースを身に付けましょう。
  
to be continued .....    

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