ストリング原糸の結び方

 ストリングの太さを表わす時、アーチャーは普通「18本弦」とか「16本弦」という表現を使います。英語では strand ですが、この方法は比較という点では適切ではありません。なぜなら、元になる原糸の太さ自体が素材やメーカーによって異なるため、同じ18本弦であっても単純な比較ができないからです。
 原糸の太さはその撚り方で異なります。この時使われる単位は「デニール」です。450mの糸が0.05g の重さの時、1デニールと言われますが、これではあまりにも現実的ではないために、何本弦という表現をアーチャーは使うわけです。

 ところで、どうしてストリングは「偶数本数」なのでしょうか? 17本弦や15本弦があってもよいと思いませんか。その理由は、原糸の最初と最後の部分が結ばれてループ状になっているためです。もし、奇数本のストリングを作ろうとすれば必然的に両端が離れた弦になってしまいます。これでは使っているうちにストリングが緩んで伸びてくるので、仕方なく偶数本のストリングを使うのです。
 しかし、本当に両端の結んでいないストリングは緩んでくるのでしょうか? 実はその端部分をしっかりと上下のサービング部分に巻き込んでおけば決して緩んでくることはないでしょう。もっと簡単に分かり易く奇数本のストリングを作るなら、例えば18本弦を作りそのセンターサービングを巻く前に上下のサービングから出た原糸を1本切り取れば、17本弦の出来上がりです。もし、偶数のストリングの太さに満足のいかないアーチャーはこの方法でストリングを作ることもできます。

   では、もし偶数本のストリングを作る時にはどんな結び方でストリングの両端をつなげば良いのか。
   この時もっとも適した結び方が「テグス結び」(洋名:フィッシャーマンズノット・アングラーズ ノット)と呼ばれる釣りのテグスを結ぶのに使われる方法です。この結び方は滑る素材をつなぐのに適し、強度が強く、結び目が小さいのが利点ですが、ストリング作りにおいては思った長さの所で結べるのがなによりも良い点です。
   図のように結ぶだけのことですが、最初にストリングの両端を合わせ結びたい位置にペンで印( を付け、「ひと結び」と呼ばれる普通の結び方をするだけです。
   この結び方で注意するのは、 印の原糸の輪にその端の出ている側から 印の原糸を通すことで、逆側も同じようにすれば簡単です。
   
   
   
   

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