ともかく買ってみる・・・・

 一昔前まで「個人輸入」「海外通販」というと大変で、危険を伴う煩雑な作業のように思われていました。ところが一時期の異常な円高($1=¥80台)以来、海外の通信販売会社は積極的に日本をターゲットとしサービスを充実、展開してきました。お陰でその後円安に転じてからも、海外の企業は日本国内に支店を置くなどし、我々の身近な存在として生き延びているのが現状です。
 そして戦争、デフレの今では一時期ほどの旨みはなくなってはいます。しかしアーチェリーの世界で考えてみると、高額な弓具に対する自衛策としてはやはり海外からの個人輸入は魅力ある価格であると同時に、現在の危機的状況にあるアーチェリーを救うひとつの方法としては、見逃すことはできません。
 そこで考える前に、ともかくは実際に外国から弓を買ってみましょう・・・!!

今回は世界最大とも言われ、日本にもすでに多くの顧客を持つ
Cabela's (Sidney,Nebraska USA)
を選んでみました。
購入するのは「Cabela's Master Catalog Fall 1998」から、  
  初心者用のコンパウンドボウ 「PSE Bandit」 $139.99
  フレッチャ―の定番商品 「Bitzenburger Dial-O-Flech」  $59.99
  フレッチングセメント 「Flech Tite」 $2.69
そして、アーチェリー以外に(ちょっと欲しいんで・・・)
  大定番ウールコート 「FILSON Double Mackinaw」 $234.95
  と、定番リール「Mitchell 308」の予備スプール付き $34.87
  にトライしてみましょう。  
 
 
「カタログ」は持っている前提で・・・・
 まず、発注しなければ始まりません。とは言っても、Cabela's をはじめ大手の業者はすでにほとんど日本語でのサービスを行っており、発注に使う「オーダーフォーム(申し込み用紙)」は日本語記載されており、何の心配もありません。(LLBeanなどはカタログも日本向けに作っていますが、価格はアメリカ版より少し高めになっているようです。)
 「PSE Bandet」は競技にも使えるコンパウンドボウですが、初心者にも使えるようにドローレングス22”-24”でウエイトは30/40、65%Let-off を選んでみます。FlecherはHelicalもありますが、ここでは一般的なStraightを選びます。あとは何の難しさもなく、日本語の指示に従って書き込むだけです。
 書き込む金額も、送料の記入方法などが難しそうですが、実はこれまで何十回と他の業者を含めて海外通販を利用していますが、一度も書き込んだことはありません。商品番号と単価と数量、そして郵送方法をしっかり書けば、送料は先方が一番安い方法で送って請求してくれます。
 一番心配な「支払い方法」ですが、「クレジットカードによる支払い」と「国際郵便為替による支払い」の2種類がありますが、便利さを考えればクレジットカードが最も良い方法でしょう。インターネット上でのカード番号の扱いが注意されていますが、ここでは郵便による注文をするため心配はないでしょう。
10月16日(金) 「オーダーフォーム」郵送 送料(切手代)¥110
 実はここまではよかったのですが、この後これまでにはなかったトラブル(?というほどでもないのですが・・・)がいくつかあって、商品の入手が遅れる結果となります。ま、これも参考にということで・・・・・。
10月28日(水) Cabela's から航空便で手紙が届く  
 これまでにこんなことは一度もなかったのですが、封筒の中はスペインのPablo Iglasiasさん宛ての商品確認の案内でまったくの誤信でした。通常は約一週間でアメリカにオーダーフォームが届き、すぐに発送されるのですがこんな案内が届いたのでCabela'sに確認することにしました。
 とはいっても、最近は大手の通販業者はほとんど国内に問い合わせや発注の窓口を開いており、ここでは茨城県土浦市にある「サービスデスク」に電話をすることにしました。Cabela'sの場合、電話とFAX以外にE-mailでの問い合わせも受け付けています。
10月30日(金) サービスデスクに電話 電話代 ¥40
 窓口は稲垣さんという非常に親切で素敵な女性で、誤信についてはすぐに解決したのですが、ついでにこちらの発注品についての発送と納期の確認をお願いしました。折り返し電話をもらったのですが、2つの発注品について逆に確認を依頼されました。
 ひとつは「FILSONウールコート」の品番が違っていて色を教えて欲しいとのこと。もうひとつは「Flech Tite」が発送できない商品とのことでした。ウールコートについては完全に向こう(アメリカ)のミスで了解されたのですが、接着剤については弓同様に今回試しに初めて発注した商品であったため、余分に時間が掛かるのは承知でなぜ発送できないのかをアメリカ側に確認してもらうように依頼しました。
 サービスデスクは日曜日と月曜日が休みということで、火曜日に再度連絡をもらうことで電話を切りました。
11月3日(火) サービスデスクから電話  
 稲垣さんから丁寧な電話で、ウールコートの在庫はあったとのことで、もうひとつの接着剤(Flech Tite)については個人輸入の場合「危険物」ということでCabela’s自体が海外への発送を控えている商品ということなので了解して、他の商品はすぐに発送してほしいと依頼して電話を切りました。
 通販カタログにはライフル銃やピストルが載っているのに当然入手できないように、発送できない商品があることは知っていましたが、接着剤が該当するとは意外でした。また、在庫切れ商品については、なかったことの責任として業者が後日送料業者負担で送ってくれる場合(Back Order)がありますが、Cabera’sの場合はBack Orderはキャンセル扱いとしているので、本来は在庫切れ商品は自動的に送られません。(その案内はありますが)しかし、今回は誤信の行き違いもありこのような確認のうえ発送手配となったようです。
11月7日(土) ちょっと問い合わせてみる  
 普通はオーダーフォームを送ってアメリカに届くのに1週間弱。そこから発送されて、成田の通関を過ぎて自宅に届くまでに10日もあれば充分なのですが、今回はいろいろあって待っている状態です。そこで、待っている間に確認かたがた親切なサービスデスクの稲垣さんに電話をしてみることにしました。
 土曜日の午後というのに一生懸命働いておられました。(ちなみにサービスデスクは日・月曜日を除く午前10時から午後6時まで受け付けています。)
 問い合わせの用件は、最近「アーチェリー専門カタログ」が送られてこなくなったことへの問い合わせです。たとえばCabela's以外にもスポーツ用品を通販している業者はたくさんあり、アーチェリー専門のカタログを別途制作して発送しているところもあります(これはあくまでアメリカ国内版を日本に送ってくれるのですが)。ところが、残念なことにたとえば(たとえばですよ)国内の弓具の輸入業者が国内の代理権を持っている・・・とか強くいったりした場合などは、その商品がカタログから消えることがあったりもするわけです。そんなことはあっていいことではないのですが、ともかくはCabela'sについて最近、以前は年に一回は送られてきた「アーチェリーカタログ」が届かなくなったことへの問い合わせです。
 回答は幸いにして、何かの手違いで送付されていないのだろうとのことでした。そこで、早速現在出ている「アーチェリーカタログ」をアメリカから発送してもらうようにお願いしました。毎年一回は発行しているようで、来年は5月中旬に新しいものが出るとのことでした。
 そのついでに先日の商品の発送を確認したところ、11月5日(木)にアメリカを発送されたとのことでした。(後で分かるのですが、実はこの日すでにアメリカから日本に荷物は到着し、通関手続きが行われていました。)
11月9日(月) 荷物到着 電話代 ¥10
 時差を入れて5日間で荷物が到着しました。運送業者はFedEx(フィデラルエクスプレス)なのですが、ちょうど留守をしていたため不在通知があり、明日配達してもらうように電話を入れました。
11月10日(火) 指定どうり午前中に配達  
 多くの通販業者が FedEx(フィデラルエクスプレス) か UPS(日本の「ヤマト運輸」が提携しているのでクロネコが配達します)を使いますが、事前(オーダーの段階)に指定している場合がほとんどで、Cabela’sはFedExです。「通常船便」などもあるのですが、よほど安くあげたい場合でなければこれらの「国際宅急便」を指定するのが安全で確実です。 
 国際宅急便の場合、アメリカを発送される時は日本のようにあまり荷物の大きさよりも重さで課金される部分が大きく、今回も2個口で到着しました。ただし、FedExもそうなのですが「送料」については前もって発注金額によって送料が決められているのが普通です。しかし、送料の計算も特に記入しなくても、しっかり品番等を書き込んで「国際宅急便」と指定すればすべて先方が適切な方法で発送してくれます。
 ただし、FedEx と UPSで大きく違うのは、UPSがヤマト運輸が代行している関係か荷物を自宅に配達した時に税金(関税等)を引き換えに受け取っていくのに対し、FedExは後日それらの案内が郵送されてきて税金だけを別途支払う手続きをとらなければなりません。少し手間なのですが、これも業者を指定している関係でしかたがないでしょう。(送料自体は商品代と合わせて請求され、今回はカードですべて引き落とされます。)
Cabela’s の送料一覧表
商品合計金額 国際宅急便 通常船便
〜$75.00 $30.00 $20.00
$75.01〜$150.00 $55.00 $40.00
$150.01〜$300.00 $85.00 $70.00
$300.01〜 (商品合計金額−$300)×0.2+$85 (商品合計金額−$300)×0.2+$70
 今回の送料は赤文字が適用されるはずです。

 ところで、海外から商品を輸入する時に気になるのは「送料」もそうですが、それ以上に「税金」が気掛かりです。
 しかしこれもあまり心配はいりません。詳しいことが知りたければこちらをご覧ください。なぜか税関の公式サイトは充実していて結構おもしろい情報もあります。それに個人での相談にも親切に応じてくれます。
東京税関 http://www.tokyo-customs.go.jp/
神戸税関 http://www.kobe-customs.go.jp/
大阪税関 http://www.rim.or.jp/osk-cstm/
横浜税関 http://www.yokohama-customs.go.jp/
名古屋税関 http://www.nagoya-customs.go.jp/
 
 簡単に説明すると、個人輸入するときに支払う税金は「関税」と「消費税」の2つです。「消費税」は普通の買い物と同じで商品にかかわりなく「一律5%」がかかるのですが、問題は「関税」です。これは商品によって異なり、一般によく輸入される商品でもっとも高い関税がかかる商品が「革靴」です。購入価格の48.8%か¥4612のいずれか高い方が課税されるため、¥1万程度の靴が¥15000くらいになってしまいます。ただし、運動靴などでは皮の部分の大きさで課税が変わったり、登山靴は27%と少しややこしい部分もあるので、そんな時は事前に税関に問い合わせると良いでしょう。ただし、アーチェリーの弓や矢、そして小物類はすべて 0%(無税)となるため、税金として支払うのは購入価格に対して(関税課税後の金額)の5%を消費税として払うだけです。
11月18日(水) FedEx から税金の請求書が郵送される  

 封筒の中には税関からの「輸入許可通知書」と「輸入申告控申請控」という難しそうな書類と、その納税額合計の金額をFedExに支払うようにという「請求書一式」が入っています。
 そこで今回の輸入に伴う、支払わなければならない税金はというと、
  関税額(A) 消費税額(地方消費税を含み5%)(B)
コンパウンドボウとフレッチャー ¥0 ¥700
ウールコートとリール ¥1700 ¥800
    納税額総合計 ¥3200 です。
 なお、FedExの場合は、これに関税・消費税特別手数料(C) ¥500が加算されます。
 
 税額の目安についてはCabela’sのカタログにサイズ表などと一緒に日本語の案内が添付されているので、特に額が大きすぎることがなければ指示に従って指定の銀行から振り込めばいいでしょう。これまで何度か同様の輸入をしていますが、一度だけ分類の間違いで課税されていたことがあり、その時は運送業者に電話をして修正申告してもらいました。なお、FedExの場合は最初の案内にはカードでの支払いが書かれていないのですが、これもカードで精算したければ電話で問い合わせればカード番号を言うだけでその場で処理が終わってしまいます。(個人使用で商品価格が¥10万以下の場合は「簡易税率」が適用されます)
 しかし、今回はもう少し詳しく調べてみましょう。

11月18日(水) 税関に電話で問い合わせる  
 では、アーチェリー用品が税関ではどのような分類に属するかというと、「玩具・遊技および運動用品」の「95類」に入ります。ここで重要なのは、アーチェリー用品については弓も矢も小物も関税率が 0% で関税は不要ということです。
アーチェリー用品 玩具・遊技および運動用品−95類−06−91−000 0%
ウールコート男性用 衣類−62類−01−11−200 11.2%
手動リール 玩具・遊技および運動用品−95類−07−30−000 3.8%
 この税率はインボイスと呼ばれる商品に同送される明細書の商品価格に掛けられるわけですが、コートはウールなのか、織物なのか、毛皮は付いているか・・・、リールは手動か、電動か・・・で税率が変わったりします。ともかく今回USドル($)で表示されているので日本円(¥)に換算する必要があります。そこでその換算レートですが、税関では一週間ごとに平均をとり決めているということで、通関日の決められたレートが適用されます。今回は11月7日の $1=¥116.24 です。
これを支払えば、後は商品代金のクレジットカードからの引き落としを待つだけです。
11月19日(木) FedEx にカード精算の電話をする フリーダイアル
 上の請求書で分かるように「手数料」が¥500×2 となっていることをまず確認しました。しかしFedExは伝票一通に対して一件(¥500)の請求をしているということで、Cabela’sの事情であり分からないとのつれない返事で、仕方なくカード番号を伝えて処理を終わりました。(12月に「日本通運」と提携することで、今後システムやサービスがどう変わるかは不明ですが・・・。)
11月20日(金) カード会社から請求書が届く  
 今月分の「請求書」が届き、11月5日アメリカ発送の請求が記載されていました。これについては、先方の処理方法にもよりますが日本のカード会社にその連絡が届いた時のレートが適用されるとのことで、だいたい処理後2〜4日後のレートになるとのことでした。
 今回はこの段階で伝票が2段階で処理されていて、11月4日 $1=¥119.03 と 11月5日 $1=¥120.19 の二本立てで処理されていました。12月7日に銀行から引き落とされて、あとは昨日の税金の引き落としの請求が来月来たらそれで今回の買い物の処理はすべて終了となります。

 で、今回の買い物の総額は・・・・・
  コンパウンドボウ 「PSE Bandit」 $139.99
  フレッチャ― 「Bitzenburger Dial-O-Flech」  $59.99
  ウールコート 「FILSON Double Mackinaw」 $234.95
  リール 「Mitchell 308」予備スプール付き $34.87
  カタログ合計金額 $469.80
 
商品代金 $234.85 × ¥119.03 ¥27954
  $234.95 × ¥120.19 ¥28238
送料(FedEx) $49.46 × ¥119.03 ¥5887
  $59.50 × ¥120.19 ¥7151
税金(関税+消費税) $1=¥116.24 ¥4200
通信費(切手+電話)   ¥160
支払い合計金額   ¥73590
送 料 = (商品合計金額$469.80−$300)×0.2+$85 = $118.96 なのですが、今回請求の送料が$10少ないのは事前に「クーポン券」(割引券)がカタログに付いていたため、それを使用してその$10分が割り引かれたためです。
 今回の総額が安いと思われるか、高いと思われるかはそれぞれでしょう。ただし今回は海外からの個人輸入(通信販売)の手続きと諸経費がどれくらい掛かるかをご紹介する目的で、あえて行ったものです。当然、海外からの輸入では円ドルの為替に左右される部分が大きく、今回の$1=¥120は決して円高とは言えないかもしれません。ちなみにこれが$1=¥90の頃であれば¥56000程度の支払いで済んだわけです。
 しかし、お分かりのようにアーチェリー用品については決して日本国内での価格は安いものとは言えず、これらの海外通販を上手く利用すればもっと手軽にアーチェリーを楽しめるようになるはずです。
 今回ご紹介したCabela’s以外にも、探せばアーチェリーを輸入できる業者やショップは結構あるのですが、興味のある方はまずは下記にカタログ請求してみるのも良いでしょう。
Cabela's ジャパン サービスデスク
 電 話 (火曜日から土曜日の午前10時から午後6時)  0298-26-6083  又は 0298-26-6084
 Fax  (毎日24時間)  0298-26-6085
 E−mail cjsd@mvf.biglobe.ne.jp
〒300-0823 茨城県土浦市小松 1-15-2
アメリカへのE−mail での直接請求 Free Catalog Request Form
           
12月1日(火) Cabela's に E−mail を送る  
 先日(11月7日)お願いした「アーチェリーカタログ」の到着が遅いので、上記アドレスにメイルで問い合わせをしてみました。
 早速その日のうちに返事をもらいお詫びと一緒に、国内から送付するので住所等を知らせてほしいとのことでメイルで返信しました。
12月2日(水) 稲垣さんからメイルをもらう  
 本日「アーチェリーカタログ」を発送したことの連絡がありました。そこで、今後も日本のアーチャーからのカタログ請求があると思うので、よろしくとお願いしました。
 
12月7日(月) 1998年度版「アーチェリーカタログ」届く  
     
いかがですか。まずは海外通販の基本が分かったところで、次へ進みましょう。

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