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Eagle-K その背景(16)

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差し込み角度だけでない「微妙な関係」

ハンドルとリムの取り付け角度は、動かすべきではなく唯一無二の位置があるという話をしてきました。弓を選ぶ時、希望の強さ(ポンド)を選ぶ以前に、性能を選んで弓を買うはずです。ところが、この角度(ポンド)が変化すれば、本来メーカーが意図した性能は発揮されないことになります。もちろん性能には的中精度も含まれます。

ではカタログに載っている弓ではなく、その弓が作られるところを想像してください。一番最初に設計という、図面を引く(今はコンピュータですが)ことから始まります。
ハンドルとリムの取り付け角度などは最たるものです。これが決まらなければ、あるいは動いてしまうのであれば、ハンドルにしてもリムにしても図面が書けません。

そしてこれ以外にも、弓には同じように重要な部分があります。

ハンドルとリムの付け根がどこにあるかです。ピボットポイントに対する、ハンドルとリムの「接点」の位置です。
あなたの弓のグリップを外して、間に2センチの詰め物を挟んだことを想像してみてください。グリップの深さが変われば、弓の安定度が変わってきます。

弓の「性能」とあわせて「性質」を決定付ける、非常に重要な部分なのです。

例えば、HOYTのFormulaハンドルで「RX」と「HPX」のモデルでは、この位置が異なることをメーカーが言っています。このように同一メーカーでもそうなのですが、「互換性」の名のもとに他社のハンドルを使えば、差し込み角度だけでなく、この位置関係も異なる可能性があります。当然ポンドも変わるでしょうし、ポンドを動かせばリムの差し込み角度を変えなければなりません・・・。

考えただけでも、本来その弓が持つ性能や性質がどこに行ったのか分からなくなります。

そして「ピボットポイント」と「クッションプランジャー」です。この位置関係をヤマハは「セットアップポジション」と呼びました。

そして多くのメーカーが今でもヤマハをコピーしていますが、これも的中精度に大きく影響を及ぼすものであり、メーカーの独自性や考え方を表す重要な部分になります。

そしてリムの差し込み角度は自分で動かせても、セットアップポジションとリムの差し込み位置だけは、アーチャーが動かすことはできません。ユーザーはこの部分だけは、メーカーのノウハウと仕様を買うことになります。

「ピボットポイント」「アロープレッシャーポイント」「リムの差し込み位置」と「リムの差し込み角度」は、それぞれのメーカーが独自に最高の性能、最高の的中精度を求めるための「不動の位置」「唯一無二の位置」として設定するものです。

ところが、非常に重要であるクッションプランジャーの位置「アロープレッシャーポイント」だけは違うようです。

HOYTは1983年に犯した過ちを再び犯しました。設計の基本、そして基準となる位置を、差し込み角度と同じように、ユーザーが勝手に「上下」に動かせるというのです。
「前後」に動かすのであれば、矢のスパイン調整を優先させる意味があり、弓の性能に影響を及ぼすことはありません。しかし「上下」はまったく違います。これをユーザーが動かすことは、他社との差別化とセールストーク、目新しさにはなっても、性能の向上にはならないのです。

もう「何でもあり」のアーチェリーの世界です。メーカーのプライドやポリシーは、どこに行ってしまったのでしょうか。

一度開けてしまったパンドラの箱からは、不幸がどんどん飛び出しているのが分かりますか。

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