アームガードが折れた

 1年や2年ではなく、多分その倍くらいに長く愛用していたアームガードが折れてしまいました。ストリングが腕に当たるわけでもなく、普通に使っていたのですが、練習が終わって外そうとしたら折れていました。

 「ポリカーボ」あるいは「ポリカ」という言葉をよく耳にしませんか。これは「ポリカーボネイト」( polly carbonate )の略称で、最近ではこれでできた食器や哺乳瓶に熱湯を入れるとビスフェノールAという環境ホルモンが溶け出すことで問題になっています。
 しかしこの樹脂は昔からエンジニアプラスチックとして優れた機械的性質も持って、非常に多く一般的に使われてきた素材です。ピストルの弾でも食い止めるため、防弾ガラスとして使われるほどの強度を持ち、耐熱性にも優れ、金属製が当たり前であった歯車にも使われるなど、加工性も高く機械部品や電子機器、精密機械に多く使われています。
 そしてアーチェリーの世界でも近年、1980年代中頃から精密機械部品メーカーであるバイター社(ドイツ)が登場してからは、この素材が多く使われるようになりました。もっとも多いのがノックであり、アームガードです。しかし実は1970年代の終わりから、ヤマハによってリムの接合板などに使われてはいたのです。(接合板も最初はフェノール樹脂が使われましたが、強度不足により途中からはポリカーボネイト樹脂が使われるようになりました。)

 そんな高強度が売り物のポリカーボネイトであっても、劣化すればいとも容易く折れるのです。ノックも長く使っていると、自然と曲がってきます。
 アーチャーはハンドルやリムなら、試合で折れれば諦めるか、もしもの時のために予備を持っています。しかし、アームガードやチェストガード、ボウスリングが些細なトラブルで使えなくなったら、どうしますか。試合断念に諦めがつきますか。
 こんな小物や付属品だからこそ、普段からの注意や予備の準備が必要なのです。アームガードやレスト、スタビライザー、タブ、ノック・・・・、必ず安心のためにも予備をアローケースに持つようにしましょう。アーチャーとしての心がけであり、常識です。

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