マグネシュームボディの台頭

 「NATIONAL GEOGRAPHIC 日本版 2006年5月号」をパラパラ見ていたら、表3広告に、こんなメガネフレームの宣伝を見つけました。
 そうなんですよ。こんな広告を見つけたので言いますが、、、、ずっと言っているように、他のページに書いているように、今の主流であるアルミニューム素材をNC加工したハンドルというのは、アーチャーの必然や性能の探求の結果として生まれたものでは決してありません。メーカーの都合とコストダウンの手法として、コンパウンドボウの技術転用としてリカーブボウに使われている、それだけのことです。決して性能が優れるとか、的中性能がアップするというものではないのです。コンパウンドボウのように、多種多様なニーズに小回りを利かせて対応できる、クレームが起こってもすぐに形状変更できる、金型代などの先行投資の必要がない、モデルチェンジが簡単にできる、在庫を持たず多種のモデルを出せる、その結果ノウハウや技術がなくても作れる、NCマシンさえあれば1本は安くで作れる、、、などなど、重い、振動吸収が悪い、安定性に欠ける、精度が悪い、生産性やコストが高くつく、などの悪条件があったとしても、メーカーとしては儲けが大きいからこそ作っているだけなのです。
 1980年代後半、ヤマハはアーチェリーにおける鋳造(ダイキャスト)マグネシューム技術をほぼ完成させました。「EX」そして「Eolla」において他社の追随を許さず、最高の品質と性能をリカーブアーチェリーの世界にもたらしたのです。ヤマハが獲得したアーチェリーにおける技術とノウハウ、知識は計り知れないくらい大きなものでした。ヤマハの企業力、組織力、有形無形の資産、そして川上源一氏の道楽、、、そこに追いつけるメーカーは他になかったのです。
 しかし残念なことに、川上氏の逝去と2002年ヤマハ撤退が、今の混乱と節操のなさを生み出しました。技術面での後退はもとより、理想への情熱と努力を奪ったのです。その結果、世界のアーチェリーはこのザマです。
 間違ってもアルミNCハンドルが、リカーブボウの最終形や性能の到達点だなどとは思わないでください。ましてや、それを作っているメーカーが最高の技術やノウハウ、そして崇高な理念を持っていると考えるのは大きな間違いです。
 どうかしてる、だけですから。。。。。

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