元祖オリジナルボウスタンド

 踏んだら曲がる、風が吹けば倒れる、無駄にかさばる、場所を取りジャマになる、そしてなぜかとっても高価、、、そんなボウスタンドをお使いの皆さん。こんなボウスタンドをご存知ですか??
 これこそがボウスタンドの原型、初代モデルです。実は現在の「ボウスタンド」は、日本人アーチャーの大発明から生まれ、発展したものなのです!
 その昔、アメリカでは「グランドクイーバー」と呼ばれる、地面に付き刺す金属製のボウスタンド兼アロークイーバーがありました。初心者教室ではアーチャーが弓と矢を置くために使いましたが、長いセンタースタビライザーが登場するまでは、世界選手権でも普通に使われた道具です。
 ところが弓具が進歩し、スタビライザーが多様化し、弓に精度が求められるようになると、特に炎天下では弓のチップを直接地面に着けることでリムバランスが狂うことを嫌うようになりました。そこで何かいい方法はないものかと世界中のアーチャーは考えたのです。弓を直接地面に着けることなく、簡単に弓を置ける道具はないものかとです。当然グランドクイーバーの改良型はいくつも考え出されました。
 そんな1970年代後半の日本においても、アーチェリーバカはいました。しかしグランドクイーバーの発展形として弓は置けても、どうしても弓が傾きリムが地面に触ってしまうのです。なんとかこの大問題を解決できないものか??? と、名古屋の某氏は日夜考え続けましたが、どうしても良い方法が浮かびません。
 そんなある夜の練習帰り、行きつけの女子大小路でコトが終わりタバコを一服、その時お姉さんのハイライトを入れたかごの横に置かれた「ヘアピン」に目が行きました。これこそが世界的大発明の瞬間でした。これですべてが解決できる!!
 そうなのです。今皆さんが当たり前のように使っているボウスタンドのストリングを挟む部分は、名古屋のひとりのアーチェリーバカとお姉さんの努力によって考え出されたものです。
 踏んでも曲がらない、風が吹いても倒れない、平面でケースの隅にペタンと納まる、軽い、場所を取らない、そして安い。こんな大発明はあっという間に世界に広まり、世界のスタンダードとなり世界選手権でもこの日本製が重宝されました。唯一の問題点といえば、体育館の床に刺せない程度の些細なことです。そのためにインドア用だけは現在皆さんが使う三脚式のボウスタンドが登場しました。
 ところがいつからでしょうか。こんなすばらしい大発明が、アウトドアで風が吹けば倒れるようなチンケな道具に取って代わってしまったのは。。。そう○国製の安いコピー商品が氾濫しだしてからのことです。
 あれから20年。個人的に使いたい想いから10数年前に復活させたことはあるのですが、、、ここにきて、フィールドアーチャーやターゲットでも弓を倒したくない弓具を大切にしたいアーチャーからの要望がたくさんありました。そこで再び作ることにしました。
 今回はオリジナルと同じ無垢のステンレス棒ですが、少し細くしました。もちろんオリジナル同様にロウ付けして、今の弓のサイズにあったグリップやストリングハイトに対応しました。その結果、スマートでより軽く、よりコンパクトにアローケースの隙間に収まるのはもちろん、クイーバーに挟んで持ち歩くこともできます。そしてなによりも倒れない。かさばらない、ジャマにならない、壊れない。それに硬い地面でも、脚で踏み込むだけで簡単に突き刺せ、インドアとコンクリートの地面以外では最高のパフォーマンスを発揮する、日本人の考えた究極の日本製ボウスタンドが復活したのです。
 日本人の心意気。どうですか。これこそが「ボウスタンド」と呼べる本物のボウスタンドです!! もう試合場であなたの大切な弓が倒れることはありません。

 完成しました。
 「U字部分に革のハギレでプロテクターを入れてみました。今回はまずはこの出来ですが次回まき直しの時にはもう少しうまくやります。先端部には我が家に山ほどあるワイン・シャンパンのコルクがピッタリなのでこれを装着です。」
 と、すでにこんなお便りをいただきました。グリップを置くU時部分はそのままでも弓を傷めることはありません。また、ストリングのクリップ部分にはシリコンチューブを装着してあります。
 ともかくは、いかがですか?!!

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