ポイントの交換

 ポイントの交換をしてみます。最近はワンピース、2ピースを問わず、「ブレイクオフ」タイプ(ピン部分を折って重さ調整をする形状)のポイントが主流ですが、どんなタイプでも基本は同じです。
 準備するのは、これだけです。ポイント接着用の「ホットメルト」(マツヤニ系のアーチェリー用接着剤)は安いものですが、普通の家庭にないのは「アルコールランプ」でしょうか。これがオススメなのは、あまり火力が強くなく、ススもでないので、ゆっくり確実に作業ができる点です。もしなくて、一度のことだからというのならガスレンジでもできるのですが、やはり火力が強いので昔のアルミシャフトならそんなに問題はなかったのですが、今のカーボンシャフトの場合は、シャフトを傷めないように注意が必要です。もし心配なら、ススで汚れますが(後で拭けばいいだけですが)「ローソク」を使うのも方法です。(ガスレンジなどでやると、どうしても炎よりシャフト側が上に来るので、注意が必要です。)
 まずは交換なので、すでに取り付けられているポイントを外します。ここで昔(アルミアロー)は、シャフトごと加熱すればよかったのですが、カーボンアローの場合は決してシャフト(カーボン)に直接炎を当てたり、加熱しすぎてはいけません。あくまでポイントを熱することでの熱伝導で固まっているホットメルト(接着部分)を溶かします。
 ホットメルトの溶ける温度はこの後の取り付け作業でも分かるのですが、ひとつの目安としては加熱する際にシャフトのポイント側を持つようにして、指に熱さを感じてきたら何度かプライヤーで抜くトライをすれば程度が分かってきます。最初のうちは加減が分からないかもしれませんが、ともかくは熱しすぎるとカーボンシャフト自体を傷めてしまします。
 少しでもポイントが動けば、後は簡単に引き抜けます。この時、こじったり回したりせず、真っ直ぐにポイントをシャフトから引き抜きます。
 この後シャフトの中のカスなどを気にする方は、綿棒などでの掃除もあるのでしょうが、個人的にはそこまでは気にしません。また、ホットメルトはフレッチタイト(ハネ貼り用接着剤)などと違って、接着面の脱脂などもあまり気にする必要はありません。
 
 次に新たに取り付けるポイントを準備します。
 ここで必ず注意するのは、ブレイクオフタイプのポイントを折る場合、必ず折る溝のポイント側をプライヤーでシッカリ押さえて折ることです。
 これで、新しいポイントを取り付ける準備完了です。
 次は新しいポイントにホットメルトを付けて、シャフトに装着すればできあがりですが、ここでも大事な注意点があります。よく試合や練習でポイントが畳に取られる(ポイントが抜けてします)ことがあります。このほとんどの場合が、接着の際に、ホットメルトが溶けた状態でなかったことが原因です。
 そこで段取り良く作業を進める下準備として、まずは装着するポイントにホットメルトを少しずつ取ります。
 ホットメルトを暖めて、ピンの先端(ポイントと逆側の端)に少し付けます。
 そのうえで、まずはそのポイント全体を適度に加熱してから、先のホットメルトを「流れる程度」に溶かします。
 ホットメルトが流れ出したら、シャフトに挿入して、少し回転させながら最後まで入れます。ホットメルトが溶けた状態なら、これで接着面全体に行き渡ります。最初からホットメルトを全体に塗布したりする必要はありません。
 またこの時シャフトの中に前のホットメルトが硬化して残っている場合は、このポイントの温度で溶かしながら挿入することになります。ポイントが温まっていないと、少しきつく感じることもあります。
 そして最後まで挿入した後は、すぐにプライヤーを緩めず、少し冷める(ホットメルトが固まる)のを待ちます。特にノックがすでに装着されている場合は、中の空気でポイントが押し出されてくることがあるので、注意してください。
 これで完成です。
 不要なホットメルトは外に押し出されます。硬化してからカッターナイフなどで、シャフトを傷つけないように落とせばいいでしょう。この時あまりキレイに取らなくても、明日の練習で数回畳を射てば、キレイになります。
 ブレイクオフのポイントは、軽く(ピンを短く)することはできますが、折ったピンを元には戻せません。また、オールカーボンシャフトの場合は、ポイント自体がシャフトにかぶさるようになっています。ポイント交換をする際、シャフトの切り口が傷む場合がありますが、これらはその特長であり仕方がないことです。
 以上、ポイント交換、よろしくお願いします!

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