サイトの位置

 よく試合が近づくと、一生懸命「サイト合わせ」をする選手の姿を見受けます。そんな選手に限って、前日になってもサイトバーにペンでサイト位置を書き込んでいます。しかし、実はサイトの位置合わせはそんなに難しいものではないのです。

 例えば、オールラウンドを射つ選手なら、「4つの目印」がバーに書き込んであればそれで十分です。50/30mであれば、たった2本の線があれば試合前であっても何も心配することはありません。
 ただし、これらの線は自分の状態が良い無風の時に、同じ条件で付けられたものでなければなりません。そして一旦付けられた4本の線の間隔は何度か確認され、必要があれば位置を修正し、再度その位置で実射をおこないそれらの線が各距離のサイト位置を示すものであることを納得します。この時の修正の必要がある場合とは、例えば30mと50mの間隔と70mと90mの間隔とが同じ長さであるはずがありません。確かにカーボンアローの使用によりそれらの間隔は縮まってきてはいますが、あるルールに沿って射程が伸びるほど広がるのが常識です。あるルールとは、このような練習を何度か繰り返すことによって発見できます。

 線が引けたなら、いつどこで試合があっても心配はいりません。もし、試合で90mの次が30mであれば、1本目をミスしないように考える必要があるのかもしれません。しかし、90mの次には70mも50mもあるのです。例えば、90mで自分の引いた線のサイト位置から射ちだすとします。もし、90mが終わった時に最初の線よりサイトが5ミリ下がっていたら、70mは自分の引いた線から5ミリ サイトを下げて射ちだせばいいのです。そして、70mの終わりで自分の線より2ミリ上にサイトがきていたら、今度は50mでは線より2ミリ サイトを上げてはじめます。これは左右の位置関係においても同じことです。
 試合によって、あるいは天候によってサイト位置は変わります。しかし、90mはどのレンジであっても90mであり、70mも50mも30mも世界中同じ長さです。上下位置は変わっても、そのそれぞれの「間隔」はそう変化するものではありません。もし、このことができて、どの距離でも思い切って自分の射ち方ができるなら、どんな条件であっても1本目が赤から外れることはないでしょう。多分8点以内からはじめられるはずです。
公開練習のサイトが試合のサイト位置と同じとは限りません。しかし、間隔はいつも同じです。サイト位置を気にするより、正しいシューティングにいつも努めましょう。

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