サングラスのこと

 「サングラス」のことを最近はアイウェア ( eye wear ) とも言うようですが、アーチェリーの世界でも1980年代後半から、夏や炎天下の競技ではサングラスが使われるようになってきました。
 サングラスは基本的にはメガネと異なり、視力の補正(歪みをなくしたり視力自体を向上させる)を行うための道具ではありません。では、アーチャーはなぜサングラスを使うのでしょうか。最も常識的な目的は「防眩」です。その名のとおり、太陽のまぶしさを防ぐための道具です。しかしアーチェリー競技においては光だけではなく、風や埃や虫を防ぐことも重要であり、照準(エイミング)の精度向上を目的に用いられると考えるべきです。そう考えれば、例えばライフルやピストル射撃競技で、逆に曇天や暗い日の照準において対象物の輪郭を鮮明にしたり、照準点を見易くする目的でもサングラスやフィルターが使用されるように、使用されるレンズの色や濃度を使い分けること(このことは非常に重要なポイントです)で天候や距離にかかわらず、目と照準を最適な状態に保つための道具としてサングラスは使用されてしかるべきものと言えるでしょう。
 ところが、これは非常に個人的な理由なのですが、これまでサングラスを使用したくともフォームの関係からそのサイトピンを見る視線が極端に鼻寄りを通過するため、フレームの縁に重なったり、レンズ自体から離れてしまい使用できなかったのです。(こんな問題にまったく悩まされることのないアーチャーの方が多いのが現実だとは思います。)
 そんな事情ではあったのですが、今回偶然使用に堪えるサングラスが見つかったのです。これがすべてのアーチャーに適するとは言いません。また、これが最善とも言いません。ただ近年スポーツ界においてアイウェアの研究や開発が飛躍的に進み、アーチェリー競技に限定した商品ではなくとも、十分その汎用性においてアーチェリーでもメリットを享受できる多くの製品が存在するのも事実であり、ひとつのたたき台としてこれを紹介することで多少なりともサングラスに関心を持ち、より自分に合った道具としてのサングラス選びに貢献できればと思います。(競技者規定に抵触するようなことは決してしていませんので・・・ (^^ゞ )

 そのサングラスは、「RUDY PROJECT」というイタリア製の製品です。あまり一般には馴染みのないブランドかもしれませんが、この「ルディー」は現在、自転車競技界及び、
トライアスロンの世界では国内シェアトップのブランドで、トライアスロンでは、自転車とマラソンの両方で使用されトップ5のうち4名が使っているようです。個人的に使用しているのは「KEROSENE PREMIUM」(ケロゼーネ プレミアム)というモデルで、製品に関する詳細はこちらの日本語ホームページでご覧になれますが、サングラス選びのポイントとしていくつかの特長を記します。
□ このサングラスが使用できたのは、ノーズとテンプル部分を自由に変形させることができるのです。お陰で視線の通過部分を含め、フレームを自分の顔に合わせられます。
□ レンズ交換がワンタッチで簡単にできます。レンズの種類も豊富ですが、このことも非常に重要なポイントです。(度付きレンズ用のフレームも併せて使用できます。)
□ クリスチャンダロー社製の紫外線100%カットのテッククリダロン・レンズ使用です。歪みもありません。
□ 風防性を高めると結構サングラスの中が蒸れるのですが、通気をよくする仕組みがついています。
□ テンプルの内側がゴム貼りで、滑り難くなっています。
□ ハードケース付き。(アローケースに入れられます。)
□ 同様の機能を有する製品に比べて、決して高くない価格です。

 ということで、サングラスに興味のあるアーチャーは単にファッションとしてではなく、照準精度と的中精度向上のために、自分に合ったアイウェアを探してみてください。
   とはいえ、このモデルを選んだ一番の理由は、黄色だからでーす。

 

 それともうひとつ余談。ごくごく個人的思い込みですがサングラスを掛けた指導者は信用していませんので・・・・。コーチングなり指導とは、選手と教える者とのコミュニケーションであり対話です。そんな場面において、視線の見えない状況は決して感心できるものではなく、作るべきではありません。個人的にもこのことは注意してアーチャーと接するようにしています。

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