小指の思い出ふたたび

 右のタブが40年近く前から今もずっと愛用している、樹脂製プレートの自作タブ。そして左がその当時、スペアで作ったアルミ製プレートのタブで今は家での素引き用。(ほんとはタブって一生物なんですよ。)
 そんな大昔、1976年から77年頃引き手の薬指が腱鞘炎になって、薬指に負担を掛けないように(痛くないように)小指を伸ばして引いている時期のことをここで書いて、思い出しました。
 そんな頃、全米選手権だったと思うのですが、友だちのロドニー・バストンが練習で一緒に射っていて唯一アドバイスしてくれたことがあります。それが「小指は首に付けた方がいいよ」のワンポイントでした。そんなこと分かってるわい、できひんし伸ばしてんね。と思いながら、、、それとは別に当時、試行錯誤して完成させたのが、このタブだったのです。このタブの原型は偉大なる世界チャンピオン、ダレル・ペイスが使っていた自作タブ(そのまた原型は「Willsonタブ」の初期モデルですが)を真似たものですが、その後ジェイ・バーズがそれを真似て商品化したのが現在の「Cavalierタブ」です。
 そして近年それを節操なくパクッた(真似た)のが、最近の韓国製タブの数々です。自分にあった自分だけのタブを作らないなら、それはそれで選択肢が多いに越したことはないのですが、それでも気に入らないのが「小指を掛ける」パーツです。もし薬指が腱鞘炎にかかっているのでないなら、このパーツは絶対オススメしません。使わない方がいいです。
 あなたはアンカーリングの時、ストリングを鼻の先に触らせるように習ったでしょう。フォームによっては、胸にもストリングを軽く触らせます。それはチェックポイントが多い方がフォームが安定すると同時に、精度が高まるからです。それと同じことです。
 アンカーで一番重要なのは「アンカーポイント」です。アンカーポイントとは顎と人差し指とストリングの3つが交わる1点のことです。この1点が正確に毎回同じ位置に決まればそれでいいのですが、それをするためにイカリ(錨:アンカー)を下ろすのです。イカリは顎の下に納まった人差し指であったり、唇や鼻に触るストリングであり、首に触る小指もアンカーポイントを固定するために重要な役目を果たします。
 小指の触らせ方はいろいろでしょうが、このイカリが海底(首)から離れていると、3本のフックの角度が変わったり、その変化に気づきにくくなります。ともかくはイカリを下ろして舟(アンカーポイント)を固定するのです。ところが小指を掛けるパーツがタブにあると、小指は安定させても、一番大切なアンカーポイントやフックを安定させてはくれません。そう思いませんか。
 みんなが思っている以上に、小指の役目は重いで。。。。

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