非常に重要なお知らせとお願い

  
 この件については、すでに「パワーロッド80」をご使用の皆さんには直接メイルでご連絡させていただいていますが、これからご使用の皆さんやカーボン繊維を使用した製品をお使いの多くの皆さんのために、あえてお知らせします。 (2004年3月17日)
 

 

 「揺り戻しが少ない」「微振動が減った」「思いっきり押せる」「弓が止まる」「グルーピングが小さくなった」「優勝した」等など、本当にたくさんのうれしいご報告を掲示板だけでなく毎日メイルでもいただいています。そんな中には、一昨日の全日本インドアのコンパウンド部門においては優勝こそ逃したものの、予選男女ともトップと男子3位通過や先々週のインカレインドアではコンパウンド男子チャンピオンにご愛用いただくなど、発表3週間にして、すでに多大な実績も残させていただきました。
 しかし、今回これらのうれしいお便りとは別に、1件のトラブルが発生したことをお伝えします。
 すでに「パワーロッド80」を体感していただいている皆さんには、ご理解いただけると考えていますが、これはクレームの対象としてお伝えするのではありません。「パワーロッド80」の性能をより良い状態でこれからも発揮していただき、より一層の満足と高得点を得ていただきたいためにご案内すると同時に、多くのカーボン繊維を使用した製品の何たるかを再度ご確認いただくためのインフォーメーションです。
 今回のトラブルは、リカーブボウにおいて「パワーロッド80」のセンタースタビライザー29インチとS社のエクステンションロッドの間にB社のサイドロッド2本を組み合わせて使用していて発生しました。アーチャーは「パワーロッド80」の使用により、他の多くのアーチャー同様に得点も向上し、非常に満足していたのですが、使用して5日目に発生しました。ただし、折損したエクステンションロッドは新品ではなく、どちらかといえば長年使用していたものです。 これについて製造メーカーではすでにこの商品の販売を中止しており、またこのトラブルについてのインフォーメーションの必要性を同様に感じてられているので、あえて下記のメイルも含め、紹介させていただきます。(これが最終の結論ではありませんが、製造メーカーさんの了承を得たうえで、これを掲載します。)
 
 突然ですが、、、、
 パワーロッド80の評価は、していただいていると思いますが、、、、
今、合宿から帰ってきました。
 で、合宿でウチの学生がパワーロッドをテストしたのですが、全員非常に良い点数も出て、評価も良かったのですが、、、、
根本にSさんの「○○○ロッド」(学生が言うので、そうかと思います)を使って、先端をパワーロッド80を使用して凄くいい点数を出していた学生の根本が、折れました。(添付写真をご覧ください)
 ネジとかではなく、本体が真っ二つです。
(そのことをネタにする気はまったくありません。)
 新品でもないので、クレームを付ける気もありません。
 ただ、もしパワーロッド80を皆さんに使用いただく状況の中で、このロッドを含め他社のロッドの剛性ではなく強度が問題になるのであれば、インフォーメーションする必要もあります。当方の問題ではなく、そのロッドにご迷惑を掛けます。
 ということで、ご注意いただきたいのと、このトラブルの原因なりコメントをいただければ助かります。
 剛性を含め、このロッドなら強度も問題ないと思っていたのですが・・・・。
 ところで、中から樹脂の部分がでてきましたが、これはなんの(何でできている)ロッドでしょうか?
 よろしくお願いします。
(個体の問題や、古いということなら仕方ないのですが、、、、)
Date: Mon, 8 Mar 2004 12:12:56 +0900

□□さま
パワーロッド80の評価は、していただいていると思いますが、、、、

 6・7日と行射しております、報告はもうしばらくお待ちください。
 学生さんが使用していたのは弊社○○○エクステンダーです。
 このようなトラブルは初見ですが、別の問題で○○○エクステンダーは販売を中止しております。○○○Tubeは名前の通り、アルミのインナーパイプ・アルミ+カーボン(30t)のアウターパイプで構成され、ご指摘の樹脂部品は両パイプを連結するABS部品です。ただ今回破断した部位は、アルミ(2011)ブッシングです。

ただ、もしパワーロッド80を皆さんに使用いただく状況の中で、このロッドを含め他社のロッドの剛性ではなく強度が問題になるのであれば、インフォーメーションする必要もあります。

 インフォーメーションする必要があります!!報告の中にも書きますが、パワーロッド80センターは曲剛性が強いため、今までの概念が適用できない動き方をします。貴兄のHPに記載があったように、ケブラー弦が登場した時と同じような事が起こるでしょう。
 
 このようなトラブルが発生することを、予想していなかったわけではありません。
 「パワーロッド80」を世に出す過程においても、「いくらスタビライザーが高剛性であっても、根元のエクステンションロッドが弱ければ意味がないので、エクステンションロッドも同様に開発された耐久性に優れ超高剛性のものが欲しい。」とも最初に書いています。
 そしてここには同様の素材革命であった「ケブラーストリングの逸話」も書きました。
 そのうえで、これまでアーチェリー界が経験してきたカーボンリムやケブラーストリング、そしてカーボンアロー登場の時と同じような素材革命とそれに伴う得点の向上を目指したのです。あえて新たな性能を求め、「パワーロッド80」を作り出しました。
 もし今回のプロジェクトがなかったら、皆さんは「ギガパスカル」も「800」も「240」もカーボン繊維に違いがあることも知らなかったはずです。ましてや、お使いのカーボン繊維の「グレード」を確認することなどなかったはずです。
 
 今回のトラブルが起こる前、このエクステンションロッドが「パワーロッド80」よりも太い外径を有し、日本製であることから一応の剛性を持つであろうと判断していました。しかしこのトラブルは取り付けネジの折損ではなく、ロッド本体の剛性以前の強度から起こった問題と考えられます。(しかし、それが個体差の問題か劣化から来たものかは判明していません。) 製造メーカーからの回答では、このロッドには300ギガパスカルグレードのカーボン繊維が使用されているとのことで、また折損部位はカーボ繊維部分自体ではなくアルミ金属部分とのことです。
 そこでまず確認しておきますが、エクステンションロッドに限ったものではありませんが、ロッドの「剛性」と「強度」は異なるものです。確かに強度が強ければ剛性も高いということではありますが、ここでいう強度とは折れる折れないといった、そのものが使用に耐えるかということです。折れなければ良い、と言われればそれまでですが、例えば弓のハンドルにしても女子や初心者が使う低ポンドのリムなら問題ないが、45ポンドを越えるリムならハンドルが折れるという問題は以前から発生しています。これをクレームとするかの問題はあるのですが、少なくとも低ポンドでの使用においては、まったく問題のないハンドルなのでしょう。まずは折れない、使用に耐えることが大前提であり、そこから次に性能なり性質が問題になるということです。
 では折れないという大前提のもとで、それが硬いか柔らかいかは非常に重要な問題です。エクステンションロッドでいうなら、折れなかったとしても柔らかいロッドを根元に使用すると、先端の「パワーロッド80」本来の高剛性や高弾性、振動減衰特性などは発揮できない状況に置かれてしまいます。逆に、これまでのセンタースタビライザーをお使いの方が根元に「パワーロッド80」をお使いになれば、いかに今までのセンターロッドが柔らかかったかが実感できるはずです。あるいは、根元の硬さの重要性を再確認されるはずです。
 例えばエクステンションロッドに、昔はアルミニュームが使われていました。アルミでもカーボンでも、多少の重量の違いはあってもどちらも強度に問題はありませんでした。しかし同じ太さ(肉厚も関係しますが)のロッドであれば、カーボンの方がはるかに剛性は高くなります。振動減衰率も高いでしょう。
 では、カーボンならすべて同じか、というのが今回の「800ギガパスカル」の出発点だったわけです。すでに使用する繊維のグレードだけの問題ではなく、カーボン繊維を使用する場合は、その繊維のグレード、量や方向、製造工程、品質管理、それに加えてロッドの場合は肉厚や外径が重要な要素であることはご存知のはずです。
 カーボンリムとオレンジジュース
 もう少しオレンジのはなし
 カーボン○×△(FRP)の作り方
 確かに240ギガパスカルグレードであっても、強度や剛性の高いロッドを作ることは可能です。しかし当然、単純に考えても厚さや太さを大きくしなければなりませんが、それでも振動減衰特性などの性質(性能)はその繊維固有のものです。そして現に300ギガパスカルグレードでも、その繊維自体が破断したわけではありませんが、それを使用するロッドの折損が発生したのは事実です。使用する繊維(素材)を含めた、全体の完成度と組み合わせの完成度の重要性が問われているのです。
800ギガパスカルグレード カーボン繊維
 今回のトラブル(折損)がセンターロッドとエクステンションロッドのミスマッチと言えば、それはそうです。それぞれの剛性のアンバランスからくる強度不足と言えば、それもそのとおりです。だから組み合わせには注意する、あるいは最初から800ギガパスカルなどは不要だという考えもあるのかもしれません。ただ言っておきたいのは、この折れたロッド以上に、世の中には300ギガパスカル以下のグレード繊維を使用した、もっと細いロッド、そして品質、性能の悪い製品が多く存在する現実があるということです。剛性も強度も不足する商品が、当たり前のように出回ってきたのです。そんな製品同士の組み合わせだからこそ、悲しいかなこれまではこのような問題や性能に気付くこともなかったのです。
 今回、世界初の超高弾性、高剛性、そして振動減衰特性に優れたカーボン繊維を使用して、日本の誇る設備でアーチェリー用に設計、生産した「800ギガパスカル」の革命的スタビライザーの登場で、品質や強度を無視した製品が淘汰される状況が起こるのかもしれません。(起こらないかもしれません。) しかし少なくとも、スタビライザーの理想形は具現化されました。
 
 そこで現時点でのお願いです。
「パワーロッド80」をご使用の際は、ネジのゆるみなどがない状態でお使いください。(これは特に道具を使って締め付るということではありません。普通に手で締めてもらえば結構です。ともかくは緩まないように注意してください、ということです。)
センタースタビライザーとエクステンションロッドを併用する場合は、すべて「パワーロッド80」をお使いください。(他の組み合わせがすべて良くないということではありません。折れなければ良いのかもしれませんが、しかし「パワーロッド80」の性能をより発揮していただくためには、このようにお奨めします。)
仮に同様のトラブルが他社製品に発生した場合でも、その一切の責任は負いかねます。ご理解ください。
 これらは「パワーロッド80」の性能を100%発揮していただくためのものであると同時に、今回同様のトラブルの発生を未然に防ぎたいためのものです。
 また、「パワーロッド80」が今回のように強度の不足する付属品にダメージを与える(あるいは強度や品質が劣る製品の発見に寄与する)ことはあっても、弓本体に同様のトラブルを発生させることは基本的には考えられません。もしそのようなことが起こるのであれば、コンパウンド、リカーブを問わずそれ以前に弓としての機能や性能を有していないことになります。しかし、例えば「Rolan」のようなプラスチックハンドルや高ポンドリムの使用を前提としていない練習用の弓等でのご使用はご遠慮ください。
 以上、よろしくお願いします。
 
 そこで、今回のトラブルに対してのご使用の皆さんからのコメントを紹介させていただきます。ご参考まで、、、、
エクステンダーの根元にスタビの曲げモーメントが最も多く加わります。
剛性、振動特性の異なる材質を組み合わせると共振してとんでもない応力が発生することも考えられますね。
やはり、インフォメーションを流して、組合せ使用は中止するように警告すべきと思います。
コンパウンドでエクステンダー使う人はまずいないと思いますが、ツーカムでカムタイミングの合わない状態だとすごいことになります。
スタビだけでも、しっかりとねじ込まれないとほんの10射程でいかれます。
私がCPに転向当初、APSのねじが曲がったこと。シュアロックのサイトのエレベーション調整ねじが破損したことがあります。
本当にCPの振動は強烈で、CPの使用には注意が必要です。
マ、当然の結果だと思います。
こうゆう情報が広まると自然に製品が淘汰されていきます。
昔ケブラー弦が登場して可成りのメーカーが撤退しました。壊れました。これと同じです。
しかし今回は意味合いが全然違うと思います。そもそもアクセサリーの設定強度を吟味
・検討しないで発売。重量級弓の衝撃に耐えられるかを検証しないまま売り続ける。当然いつかは破損する。当たり前の事です。せめてもの救いはけが人が出なかった事です。折れた部分の構造を見れば納得です。
私が前から危惧していることが現実になりました。結局重量増に伴う衝撃の行き場です。弱いところに当然集中します。
やはり製品の使用上の注意として消費者に告知することが必要かと思います。
映像みました。可也酷い物ですね。
リカーブでそんな状態ならCPならもっと凄い(酷い)結果になっていたかもしれませんね。折れたというより、引っ張られてちぎれた。という状態に思えます。
本来、矢が飛び出す時のエネルギー全てが前方へと伝達する力が、他のスタビやロッ ドでは弱かったり他の所へ逃がしていたのだと思います。
パワーロッド80を使用する前、△のカーボンセンターロッドをMねじの為、APRパワーロッドスペシャルとを組み合わせて使用していました。まあ付け方が甘かったのかもしれませんが、シャフト部分がよく外れました。(数百本位射)
前方向に行く力がこんなに凄いのだとリカーブの時はまったく意識していませんでした。ですから、今回この事故で、更にパワーロッド80の性能が立証されたのではないでしょうか。
人間の体と一緒で、無理をしていると無意識の内にそれが蓄積していて、あとに必ず悪い所(部分)にしわ寄せが来るように、道具もそうなんでしょうね。
技術的な事はまったくわかりませんが、本来正しく機能を発揮すべき物が(者)そうでなかった。と感じました。

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