ここまできたら「インチキ」ですよ。
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1912年1月30日 – 2002年5月25日 1月7日
「1st Axis」が性能の問題なら、「2nd Axis」は精度の問題です。そして「3rd Axis」は品質と品位、メーカーの良識の問題なのです。
ヤマハとホイットが築いてきた崇高なスタンダード(世界標準)が地に落ちた今、こんな節操のないどうしようもない機能が性能です、これからの時代の最高の商品ですと言われるようになれば、世も末です。
テイクダウンボウのメリットとは何でしょうか。昔、ワンピースボウの時代、アーチャーは今の和弓のように長い弓を持ち運んでいました。木製のためグリップの加工はハンドルそのものを削るしかありません。もし弓が折れれば、まったく同じ弓との交換は容易ではありません。
そんな状況でテイクダウンボウは、持ち運びの便利さに加え、グリップを含めハンドルやリムが問題を起こしても、その場で部分的に交換できるという対応力がありました。それらはすべてアーチャーにとってのメリットであり、アーチャーの要望と必然から生まれたものです。
ところが1980年代後半、切磋琢磨し高めあってきたHOYTがヤマハに追い詰められた頃から状況が変わってきます。そして2002年のヤマハ撤退で、状況は一変しました。それまで、こんな精度や品質では売れないでしょうといわれていた商品が、精度も品質もそのままに低価格を武器に一気に広まります。スタンダードが一気に低下したのです。
それが証拠の「1st-2nd Axis」、そして今回の「3rd Axis」です。これらはすべてアーチャーの要望からではなく、メーカーの都合から始まったものです。作りやすく、歩留まりよく、在庫が少なく、誤差大きく、クレームを言わさない。それでいて、性能も品質も問わない。それだけならまだしも、なぜかメーカーは「安いと売れないんですよ」と平気な顔で言うようになりました。
弓の「3rd Axis」(3軸)を「ツイスト調整」と呼んでみましょう。
メーカーは表向き、このような調整機構を性能とは言っていないかもしれません。イレギュラーな(品質の悪い)リムに対しても、このすばらしい機能は対応できます、と言っているのかも知れません。
しかしここを動かさなければならない状況とは何でしょうか。そしてここをユーザーが動かすことが本当に適切なのでしょうか。それにこれを使う時、そのツイストの原因はリムではなくハンドルそのものにある可能性もあります。
こんな機能が一般化すれば、これまでのねじれたりバランスの悪い、ポンドもいい加減な、曲がったリムを出荷できるのに加え、ねじれたり曲がったハンドルも出荷できることになります。
「1st Axis」「2nd Axis」をユーザーが動かせることは決して感心できません。それに加えて「3rd Axis」まで可動可能ということになるなら、メーカーの責任放棄もはなはだしいとしか言いようがありません。今までできていたことをしない、と言っているのです。メーカーの良識と品質を疑うしかありません。
これから先、品質と品位の備わった良識ある製品が世に出回り、スタンダードが高まるかは、ひとえにアーチャーの常識に関わっていることを忘れてはなりません。
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