目次
こんな広いとこで射ちたい!
2021年9月2日

1969(昭和44)年 高校1年。アーチェリー始める。 1969年はアポロ11号で初めて人類が月面に降り立った以外に、すごく大事な年やね。 それまで、日本弓道連盟の旗のもとに世界選手権にチームを派遣してたのが、この年の「バレーフォージ世界選手権」から全ア連として選手を送ったんやね。和弓から洋弓が独立した記念すべき年や。 この翌年にこの「写真」を本で見て、お父さんの人生が変わったんやね。 弓始めて1年しか経ってへん、海の物とも山の物ともつかへん高校生が、突然「こんな広いとこで弓射ってみたい!」と思ったんやね。 この憧れがすべての原動力。何の可能性も方法もないのに、ただ的と的の間が5メートルも離れたとこで射ちたい! この写真の場所バレーフォージで弓を射つのは1976年の全米選手権で叶うけど、その前に1973年大学2年の時に初めての世界選手権で、試合が終わってグルノーブル市庁舎であったレセプションの時に、これも突然「世界一」になりたいと雷に打たれるね。 ただこの時は可能性は分からへんけど方法論はあったんやね。「世界一美しく射つ」ことができたらなれると勝手に思うね。 そっから2番になるキャンベラまで4年。 表彰台に上がって首にメダル掛けてもろて、ひょっと横見ると自分より高いとこに一人おんね。

世界で2番になんのはそんな難いことと違うし、今まで何人もがなってんね。
なってないのは、一番高いとこの「世界一」だけやね。
だから誰かがならんとあかんし、なりたいね。
だからずぅーと射ってきたんやね。
方法論は知ってるけど、一番高いとこに立つにはそれだけとちごて、「すべて」がいる。2番や3番とは桁外れに難しいことや!

Leandro De Nardi (ITA)

