「ハンドルに性能なんてあるんですか?!」
という質問を受けることがあります。
確かにリムであれば、矢速であったり矢飛びのように比較できる客観的な指標があるのですが、ハンドルとなると主観的な好き嫌いともいえるデザインとカラーだけが前面に出てきます。するとハンドルを選ぶ時には「性能」は考えない、あるいはトップアーチャーが使っているという実績のみが性能を判断する基準であって、あとは何となく色と形、そして値段で選ぶというのが現実かもしれません。
では、本当にハンドルに「性能」は存在しないのでしょうか? ハンドルはカッコいい形と自分好みの色であればそれでいいのでしょうか??
違います。実はハンドルにはリム同様に必要とされる性能があり、それらは客観的に判断される重要な要素でもあるのです。
例えばリムの性能を語る時には、「矢速」という絶対的な性能があります。同じ36ポンド表示のリムであれば、引く力は同じでありながら、より速く飛ぶリムの方が性能的に勝るのは誰もが理解できるはずです。身体への負担が同じでも、速く矢が飛べば風や雨の外的影響を受けにくくなります。これは大きなアドバンテージです。
しかし実際には単に速いだけで、そこに安定性が欠けるリムもあります。速い球が投げられても、ストライクが取れないピッチャーがそれです。速さだけでなく、そこに正確さや安定性が求められるのです。リムの性能は矢速の測定値だけが勝っていてもだめなわけです。
ではスピードとコントロールが勝れば良いかというと、それ以前にもう一つ大事なことがあります。これを「耐久性」や「品質」と呼ぶかもしれませんが、「壊れないこと」が重要であり、これも性能のひとつであると同時に、性能を支える重要な要素です。どんな優れたリムでも折れるのであれば、使い物になりません。しかし残念なことに、折れたり剥がれたりするリムが世の中には結構多くあります。メーカーやショップにすれば、知られたくない現実かもしれませんが、高価なリム、高性能を謳うモデルほどこのようなトラブルを抱える可能性があります。単に高速を求めすぎて、そこに技術力やノウハウが付いていかないわけです。
そこでハンドルに話を戻します。形と色だけで選んだハンドルであっても、リム同様に「耐久性」は必要です。使っていて折れるのは論外ですが、曲がったり捻じれたりするハンドルでは困ります。性能以前の性能です。
では、折れる、曲がる、捻じれるといったトラブルがなければ、好みの形、好みの色のハンドルであれば、それでいいのか?
ハンドルには、的中精度に影響を及ぼす客観的な性能はないのでしょうか?
あなたは高いお金を払って、ハンドルに何を求めますか??!
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