間違いだらけの弓具選び

エクステンションクリッカー


こんなクリッカーもあります。
http://www.a-rchery.com/clicker2.htm
1980年代後半、インドア競技において一層の高得点を目指す手段として、大口径アルミシャフトが使われだしました。常識的に考えて21や22径がスパイン的に考えて限界であった状況下で、23や24径で肉厚の薄いシャフトがアーチャーの要望から作られ出したのです。太いシャフトでオンラインを稼ごうというのです。(この後、この傾向が拡大するに至って、ルール上で太さの制限が設けられるようになりました。) しかし、肉厚の薄さにも限界があります。となれば、スパインを合わせるには仕方なく、長いシャフトを使うしか方法がありませんでした。そこで登場し..
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2007年12月08日(土) No.24 (クリッカー)

クリッカーチェック


クリッカーは五感を駆使して使うのですが、そんなテクニックの中にドローイングしてフルドローに入る際、「クリッカーチェック」を行うアーチャーがいます。技術的な話はここではさておき、クリッカーチェックとはクリッカーの位置までドローイングができているかを確認する動作です。それは、アーチャーがクリッカー先端の動きを目で見て、矢のポイント位置まで引けているかを確認することで行います。実際にはあと数ミリでクリッカーが落ちるようにフルドローするのが一般的なため、ポイントのとんがり部分でクリッカーの板が動くことによって確認することになります。
そんな時、1980年頃だったと思います、全米選手権でアメリカの友人..
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2007年12月08日(土) No.23 (クリッカー)

音だけとは限りませんが・・・


こんなクリッカーを知っていますか。「サムクリッカー」、音ではなく親指の刺激で射つクリッカーです。1979年頃でしょうか、オリンピックゴールドメダリストのルアン・ライアンをはじめ、アメリカのトップが使い出しました。我々も試しましたが、個人的には手が小さい(親指が短い)ので、人差し指にヒットさせて使っていました。耳より皮膚からの刺激の方が反応が早く、隣のクリッカーで射つことがないということです。
それより前では、こんなクリッカーもありました。カリカリ音もそうですが、エイミング中の視覚に訴えるという方法です。これなどは、最近はカーボンアローの使用でサイト位置が高くなっていますが、昔は50mくらいか..
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2007年12月08日(土) No.17 (クリッカー)

個人的には


バイターのクリッカーを使っています。チップのお陰で試合前のテープ巻きはなくなりましたが、ネジの樹脂は使っていません。長距離では、エイミングのジャマになるので。
なのですが、本当はもっと大きな必然があります。バイターには「0.2ミリ」という板の厚さがあるのです。この薄さがいいのです。昔はバイターでなくてもあったのですが、今はちょっと知りません。他社製品を含め、0.25や0.3を使っているアーチャーが多いでしょう。
バイターはステンレス製ではありませんが、あまり薄いとメッキが難しかったり、ステンを含めこのような薄い板が少ないのです。コストを考えれば、打ち抜きで作ります。
http://www.a-rchery...
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2007年12月08日(土) No.16 (クリッカー)

バイターの功績


バイター製のクリッカーは、一般的です。その理由はバイターが初めてネジの部分を、ドライバーやレンチを使わず手で回すことができる方式を考案したからでしょう。このセールストークによって、アーチャーは試合中でも簡単にクリッカー位置を前後させられるようになりました。
http://www.a-rchery.com/ideatais.htm
そしてもう1つの理由は、矢の当たる(ポイント先端が擦れる)部分に樹脂製のチップを取り付け、ポイント先端で出る「カリカリ」音を軽減したことです。
多くのアーチャーは、道具は市販されているものをそのまま使うのが正しいと勘違いしています。自分に合った道具を使うべきであり、自分に合わなければ探し、工夫する..
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2007年12月08日(土) No.15 (クリッカー)

薄さこそが性能


だから何でもいいと思っているアーチャーが、世の中には多すぎるのです。特に近年、こんな道具↓を使うとなおさらなのですが、気付かないアーチャーがたくさんいます。
http://www.a-rchery.com/bow60.htm
まずクリッカーは、落ちる瞬間を音で知らせる。だから大きい音の方がどんな時でも、どんな緊張感でもいいに決まっている、と勝手に思いこんでいるのです。ところが、聴覚障害のまったく音が聞こえないアーチャーがクリッカーを使ってられるのを、見たことはありませんか。感じるんだそうです。音以外でも。そう、耳が聞こえようが聞こえまいが、クリッカーは「感じる」ものなのです。それは音の大小だけでなく、音色すらも聞き分けて..
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2007年12月08日(土) No.14 (クリッカー)

ただの板切れ


1969年は、「クリッカーの年」といえるでしょうか。アメリカバレーフォージの世界選手権でハーディー・ワードが優勝した年であり、レイ・ロジャースの世界記録がジョン・ウィリアムスに破られた年です。そしてレイ・ロジャースこそが、1967年世界選手権を「ノークリッカー」で制覇した最後のチャンピオンなのです。
http://www.a-rchery.com/graffiti.htm
http://www.a-rchery.com/clicker5.htm
もし仮に「早気」(はやけ)を経験したことがないというめずらしいアーチャーであっても、クリッカーの偉大さは知っているはずです。今、あなたはノークリッカーで何点出ますか? 何本まともに射てますか? こんな大発明を誰がした..
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2007年12月08日(土) No.13 (クリッカー)

「間違いだらけの弓具選び」


この絵、いいと思いませんか? 50年以上前(たぶん)に、ロンドンの出版社から出された子供向け小説の表紙です。偶然見つけたのですが、中身はなんらアーチェリーとは関係ありません。サマーキャンプか授業風景の絵なのでしょうが、こんな昔から海外では普通にアーチェリーをやっていたのでしょう。和みませんか。(絵をクリックすると、大きくなります!)
で、これを見ていて、いつものように突然思いついて、こんなページを書くことにしました。個人的には、ブログもミクシィも好きではないのですが、ちょっとブログ風にしてみました。ただし書き込み等はできません。
他のページと同じように、独断と偏見、経験とポリシーに基づいて..
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2007年12月08日(土) No.11 (イントロ)

3本足の原形


何事もオリジナルが完成されていると、そこから新しいものを作るのは大変です。ついつい余計なものが付いたり、本来でない方向に向かったりするものです。
アメリカの友人が商品化したボウスタンドは、踏む部分に円盤が付いています。これでは踏みにくいのもありますが、収納の時にかさばってしまいます。日本の知り合いは、1本足と3本足が交換可能なアイデア商品を作りましたが、ちょっと平面にするのが苦労です。
そんなこんなで、今の世の中いろいろな3本足があるのですが、これが3本足のオリジナルの1つです。友人が1970年代最後頃だったと思いますが、インドア用にと作ってくれました。今でもインドアでは愛用している、思い..
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2007年12月15日(土) No.25 (ボウスタンド)

個人的には


風俗店での大発明は、その時すでに完璧に完成されていました。ニューヨーク近代美術館に飾られてもおかしくない、美しさと機能性を備えていました。
http://www.moma.org/
長く愛用していたのですが、いつか忘れましたが川上杯でつま恋に置き忘れてしまったのです。電話をしたのですが、見つかりませんでした。仕方なく新しいものを探したのですが、もうどこにも売っていませんでした。なくなったボウスタンドは、誰かが愛用してくれているなら、差し上げます。オリジナルでした。
そんなわけで、なければ作ればいいのです。欲しければ、作るしかありません。グリップ部分寸法とストリングハイト寸法を、今風に見直しました。
このボ..
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2007年12月15日(土) No.26 (ボウスタンド)

ボウジャングル


こんな風景を外国人は、ジャングルと表現します。そんなボウジャングルの中を進む時、リムを地面に付けなくなったボウスタンドに求められる性能とは何でしょうか?
最近のアーチャーは、一番大事なことを忘れています。ボウスタンドに求められる性能は、「倒れないこと」です! 風が吹こうが、雨が降ろうが、スコープが倒れてこようが、人がぶつかろうが、倒れずにサイトを守ることです。スタビライザーが傾いても、簡単に直せます。リムの塗装がはがれても、我慢はできます。しかし、サイトピンが動けば、試合は終わりです。
にもかかわらず、いつから倒れる、つまづく、場所をとる、踏めば曲がる、3本の足がボウスタンドに生えてしまっ..
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2007年12月15日(土) No.27 (ボウスタンド)

日本人の大発明!


日本人がアーチェリーの世界で、その発展や記録の向上に大きく寄与したことはたくさんあります。特に日本のアーチェリーが元気だった頃、そしてヤマハをはじめとして多くの日本のメーカーが健在で、アーチャーに情熱と希望と目標があった1970年代から80年代にかけては、特にそうです。
1970年代中頃、グランドクイーバーはあっても弓を置く道具といえば、クイーバーから矢を1本抜き出して下リムを地面に付けて斜めに弓を立てるしか方法がない時代でした。当然それは弓にも記録にも良い影響を与えませんでした。そんな頃、ひとりの名古屋のアーチャーが、ボウスタンドのアイデアを持っていました。グランドクイーバーからヒントを得..
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2007年12月15日(土) No.28 (ボウスタンド)

グランドクイーバー


「グランドクイーバー」はご存知ですか? 実は「ボウスタンド」という名称の道具は、結構近年になってからできたものです。その前身はグランドクイーバーでした。
グランドクイーバーとは、名前のとおり地面に矢を置く道具です。ちょうど今の腰に下げるクイーバーの代わりに、足元に矢を束ねて立てかけていました。今でもたまに講習会や初心者指導では使われる、便利な道具です。いくつかのグランドクイーバーは、矢と一緒に弓も掛けられる形状になっていました。そして昔これが一般的だった理由には、弓本体にスタビライザーが装備されていなかったり、されていても上下2本スタビであったことです。
今のグランドクイーバーは、長いセン..
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2007年12月15日(土) No.29 (ボウスタンド)

1986年の唯一世界フィールド


世界フィールドでの唯一は、中断こそありませんでしたが、1986年オーストリア世界選手権のこの写真です。
スキーイングアーチェリーではありません。真夏、8月28日。前日の練習では半袖でした。これほどの天候激変を、少なくとも日本チームは予想も準備もまったくしていませんでした。雨の用意はあっても、ここまでの防寒装備は持参していません。
時間が短縮され、ルールが変わろうとも、本気なら選手はすべての状況を予測し、準備万端で試合に臨むべきです。ましてや、どんな道具も身体も支えるのは2本の足であり、身体と地面の間にあるのは靴です。
もう少し、土台について考え、大事にしてもいいのではありませんか?!
2007年12月23日(日) No.30 (シューズ)

1973年の唯一世界ターゲット


長い世界選手権の歴史の中で、特に近代アーチェリーの時代になってから、たった1度だけ試合が中断されたことがあります。短い歴史のオリンピックにおいては、あの1972年ミュンヘンオリンピックのテロの後でさえ、予定通り試合は進行されました。
世界選手権で唯一中断されたのは、1973年グルノーブル世界選手権です。288射4日間、FITAダブルラウンドの時代ですが、この時初日の朝から大雨と強風に見舞われ、第一日目の長距離が全日中止になったのです。そのため、2日目にFITAシングル144射を1日で行うという、FITAの歴史上唯一変則な進行(3日間288射)で世界選手権は行われました。
中止の朝、情報を伝..
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2007年12月23日(日) No.31 (シューズ)

個人的には


個人的には、雨を考えるならターゲット、フィールドを問わず「スパイク付きゴム長」を持参しています。少しのぬかるみなら、「LLBeanのガムシューズ」もいいです。貴族のスポーツでも大雨になれば、最も適するのが長靴です。とっても素敵でファッショナブルなスポーツです。
ではそんなイレギュラーはさて置き、晴れたアーチェリー日和を楽しむなら、やはり疲れにくい靴を選ぶべきです。ただし、底はフラットが理想です。ジョギングシューズは感心しません。かかとの磨り減った靴も同じです。となれば、テニスシューズかバスケットシューズの類でしょうか。
個人的には、最近ナイキの靴が足に合って、気に入っています。ジョギングや..
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2007年12月23日(日) No.32 (シューズ)

フィールドアーチェリーシューズ


アーチェリーシューズを作ったのは日本のメーカーだけかというと、そうではありません。
アディダスもちゃんと作ってくれています。1979年ベルリン世界選手権の時、もらってきました。黄・赤・青の3本線に「ARCHERY」の金文字。ただし残念なことに、こちらはどちらかというとフィールドアーチェリー用といった方がいいかもしれません。ハンドボールシューズのソールの転用だと思いますが、設置面積が広いわけでもなく、底は凸凹、アッパーは本皮。ターゲットカラーの3本線を除けば、山歩きには良さそうな滑りにくい靴です。こちらも何年かして、なくなってしまいました。
では、フィールドアーチェリーに適した靴となると、ど..
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2007年12月23日(日) No.33 (シューズ)

ターゲットアーチェリーシューズ


今でこそ、市販される「アーチェリーシューズ」はなくなってしまったのですが、昔はアシックスもミズノもアーチェリーシューズを販売していました。
アシックスは1974年頃から(1973年には試作の靴を履いていましたから。そして当時はまだ合併前で、オニツカタイガーのブランドです。)、ミズノは少し遅れて1980年には販売を開始していました。(1979年頃には試作を履いていたような記憶があります。当初はまだランバードではなく、Mラインでした。) そして幸いにも、このどちらの靴も製作にあたってアイデアを求められ、結果的に思う性能を備えたアーチェリーシューズとなりました。とはいってもアーチェリーです。市場は..
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2007年12月23日(日) No.34 (シューズ)

アーチェリーシューズ


試合の時、どんな靴を履きますか?! 多分、でもそんなの関係ねぇ、とお思いのアーチャーがほとんどでしょう。
昔は「白いスラックスまたはスカート」にあわせて、「白い運動靴」というルール上の制約があったので、履く靴は限られていました。しかし、今は色も自由です。そうなれば、ファッション性を含め、歩き易い、軽い、疲れない、最新モデル、、、と、いろいろな靴を試合では見かけます。
では、「アーチェリーシューズ」なるものがあったとすれば、そこに求められる性能(機能)とは、なんでしょう?
「ターゲットアーチェリー」(フィールドアーチェリーではない)という特殊性から考えれば、ルールとは無関係に履ける靴は限ら..
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2007年12月23日(日) No.35 (シューズ)